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バーチャルツアー用の360度画像を、360度カメラで撮影する基本

2026年7月10日

360度カメラでバーチャルツアー用画像を撮影するときの、撮影位置・明るさ・映り込み・確認ポイントを整理します。

360度カメラを使えば、専門的な一眼レフ撮影より手軽にバーチャルツアー用の素材を用意できます。ただし、普通の記録写真と違い、バーチャルツアーでは「どこに立って見るか」「次にどこへ移動するか」が重要です。

この記事では、店舗や施設の360度画像を撮影するときに押さえたい基本を、Googleストリートビューや旧インドアビューの考え方も参考にしながら整理します。

360度カメラを一脚に載せて周囲を撮影するイメージ図
360度カメラは周囲すべてを記録します。撮影者は物陰や別室に隠れて操作するのが基本です。

バーチャルツアー用の写真は、普通の写真と少し考え方が違います

店舗や施設を紹介する写真では、見せたい場所をきれいに切り取ることが大切です。一方で、バーチャルツアー用の360度画像では、利用者がその場に立って周囲を見回すことを前提にします。

そのため、撮影で大切なのは「きれいな1枚」を撮ることだけではありません。入口から店内へ、店内中央から席や設備へ、といった移動の流れが自然につながるように、撮影位置を決める必要があります。

Googleストリートビューや、以前のインドアビューが参考になるのはこの点です。道や店内を移動しているように感じられるのは、一定の間隔で撮影された360度画像が、見る人の動きに合わせてつながっているからです。

バーチャルツアー用360度画像の元画像例
バーチャルツアーの元になる360度画像の例。横長の画像をツアー内で見回せる形にします。
360度画像をバーチャルツアーとして表示した例
360度画像をツアーとして表示した例。移動ポイントや案内表示を加えることで、閲覧しやすくなります。

まずは360度カメラ、三脚、スマートフォンを用意します

第一歩としては、RICOH THETA、Insta360などの360度カメラが扱いやすいと思います。一眼レフと魚眼レンズを使う方法もありますが、撮影枚数や合成作業が増えるため、この記事では360度カメラでの撮影に絞ります。

用意するものは、主に次の3つです。

  • 360度カメラ
  • カメラを固定する三脚または一脚
  • カメラ操作と画像確認用のスマートフォン

可能であれば、背の高すぎない一脚や、脚が小さく写り込みにくい三脚を使うと、画像内の三脚の存在感を抑えやすくなります。

撮影位置は「見せたい場所」ではなく「人が立つ場所」で考えます

バーチャルツアーでは、撮影位置がそのまま閲覧者の立ち位置になります。そのため、撮影位置は「この棚を見せたい」「この席を見せたい」だけで決めるのではなく、実際に人が歩いたり立ち止まったりする場所を基準に考えます。

店舗の見取り図に撮影位置と視点方向を記入した例
見取り図に撮影位置を落とし込むと、入口から店内へ進む流れや、各地点で見せる方向を整理しやすくなります。

店舗であれば、たとえば次のような位置が候補になります。

  • 入口の外または入口直後
  • 店内の中央
  • カウンター前
  • 客席や施術席の近く
  • 個室、設備、商品棚などの前
  • 奥から入口方向を見返せる位置

重要なのは、画像同士のつながりです。入口の次に突然奥の部屋へ飛ぶと、見る人は方向感覚を失いやすくなります。Googleストリートビューのように、移動先が感覚的にわかる間隔で撮ると、バーチャルツアーにしたときに自然に見えます。

撮影間隔は、屋内では短めが安心です

屋外の広い場所では、撮影位置の間隔が多少広くても移動の流れは理解しやすいです。しかし、店舗や施設の屋内では、壁、棚、テーブル、柱などが多く、少し位置が変わるだけで見え方が大きく変わります。

小さな店舗では、数メートルごとに撮るくらいの感覚が安心です。特に曲がり角、部屋の入口、階段、段差、設備前などは、移動の分岐点になるため、撮影しておくとツアー化しやすくなります。

明るさは「見た目より少し明るめ」を意識します

360度カメラは、部屋全体を一度に写します。窓の外が明るく、店内が暗い場合などは、明るい部分と暗い部分の差が大きくなりやすいです。

撮影前には、照明をつけ、暗い場所がないか確認します。昼間に撮る場合でも、店内照明は基本的につけた方が安定します。逆に、窓から強い光が入る時間帯は、白飛びや暗部のつぶれが起きやすいため、時間帯をずらした方がよいこともあります。

まず大切なのは、撮影者自身が映らないことです

360度画像では、カメラの前だけでなく、後ろも横もすべて写ります。そのため、普通の写真よりも「撮影者自身がどこにいるか」が重要です。

撮影時は、スマートフォンで遠隔操作し、撮影者は柱の陰、別室、カメラから見えにくい場所へ移動します。鏡やガラスがある場合は、直接カメラに写らなくても、反射の中に撮影者が写ることがあります。まずは「自分が写っていないか」を最優先で確認します。

人物、鏡、ガラス、個人情報の映り込みに注意します

撮影者以外にも、公開前に確認したい映り込みがあります。

撮影前には、次の点を確認します。

  • 人の顔が大きく写っていないか
  • 車のナンバーや住所、書類、伝票などが写っていないか
  • 鏡やガラスに撮影者が写っていないか
  • 片付いていない場所が目立っていないか
  • 見せたくないバックヤードや私物が写っていないか

Googleストリートビューでは、顔やナンバープレートなどのプライバシー処理が重視されています。自社サイト用のバーチャルツアーでも、公開前に映り込みを確認することはとても重要です。

バックヤードは「写さない」より「見せ方を制御する」と考えます

店舗や施設の360度画像では、バックヤードや通路、スタッフ用スペースが完全に写らないようにするのは難しい場合があります。360度カメラは周囲すべてを記録するため、通常の写真のように画角の外へ外すことができないからです。

ただし、バーチャルツアーとして公開するときには、見せ方を調整できます。たとえば、最初に表示する方向を店内側に向けるだけでなく、Pannellumの機能で閲覧できる角度を指定し、バックヤード側を見せない設定にすることができます。必要に応じて、移動ポイントや案内表示もあわせて工夫します。

つまり、撮影段階では「写ってしまうもの」を把握し、制作段階で「積極的には見せない方向」を決めることが大切です。この点は、ただ360度画像を掲載するだけの場合と、バーチャルツアーとして設計する場合の大きな違いです。

カメラはできるだけ水平に置きます

360度画像は、水平がずれていると見ている人が違和感を覚えやすくなります。カメラやアプリに水平確認の機能がある場合は、撮影前に確認します。

床が傾いている場所や、三脚が不安定な場所では、少しの傾きでも画像全体に影響します。撮影後に補正できる場合もありますが、最初から水平に近い状態で撮る方がきれいに仕上がります。

360度カメラの高さは胸から目線くらいが基本という説明図
高さの目安は胸から目線くらい。狭い空間では、無理に中央へ置かず入口付近から見せる方法も有効です。

撮影後は、その場で画像を確認します

撮影が終わったら、できるだけその場でスマートフォンに画像を表示し、見回して確認します。後で確認して問題が見つかると、再撮影が難しいことがあります。

確認したいポイントは次の通りです。

  • 画像がぼやけていないか
  • 明るすぎる、暗すぎる場所がないか
  • 水平が大きくずれていないか
  • 撮影者や三脚の映り込みが気になりすぎないか
  • 次の撮影位置が画面内で自然に見えるか
  • 公開したくないものが写っていないか

バーチャルツアー用としては、単体の写真としてきれいかどうかに加えて、「この次にどこへ進むか」が想像しやすいかも確認するとよいです。

Googleストリートビューと自社サイトのバーチャルツアーは、目的を分けて考えます

Googleストリートビューや旧インドアビューの撮影方法は、360度画像の撮影位置や移動感を考えるうえで参考になります。ただし、現在のGoogleへの投稿方法や利用できるアプリ、公開条件は変わることがあります。

一方、自社サイトに設置するバーチャルツアーでは、Googleマップ上での公開とは別に、自社サイトのページ内で見せ方を設計できます。来店前に見てほしい場所、問い合わせ前に確認してほしい設備、予約につなげたい席や部屋など、目的に合わせて構成できるのが利点です。

撮影した360度画像から、バーチャルツアーを制作できます

VR DESIGNでは、店舗様や制作会社様が撮影した360度画像から、バーチャルツアーを制作できます。撮影済みの画像をもとに、移動ポイント、初期表示方向、表示角度の制限、案内表示などを設定し、ホームページ上で見やすい形に整えます。

もちろん、撮影からお任せいただくこともできます。VR DESIGNでは、ミラーレス一眼を用いた高品質な360度画像の撮影も承っています。まず自分で撮影してみたい場合も、どの位置で撮ればツアー化しやすいか、事前にご相談いただけます。

360度カメラで撮った画像を、ただ保管しておくだけでなく、ホームページ上で「中を歩ける体験」として活用してみませんか。

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